コーヒーの産地ゴロカ

 コーヒーからパプアニューギニアを想像する人は少ないかも知れませんが、パプアニューギニア良質なコーヒーの産地として世界的に知られ多くの先進国に輸出されています。標高1500m、熱帯でありながら朝晩には冷涼な空気が流れるゴロカの自然環境はコーヒーの栽培にとても適しているのです。

 

ゴロカ・コーヒーフェスティバル

この高地の町ゴロカでは、年に2度「大きなお祭り」が行われます。この「大きなお祭り」とは個々の村が伝統的に営んでいる宗教的・習慣的な祭りとは別に、これらの村々が合同で行う「祭典」とも言うべきもので、そのひとつが今回ご紹介する「ゴロカ・コーヒーフェスティバル」、そしてもうひとつが例年9月に開催される「ゴロカ・ショー」です。

「ゴロカ・コーヒーフェスティバル」はパプアニューギニアの重要な産物であるコーヒーの収穫を祝うと共に、コーヒーを含めたパプアニューギニアの農産物や産業を自国民と訪れた各国の人々に知ってもらおうとゴロカの有力者が中心となって2001年から始められたものです。

「ゴロカ・コーヒーフェスティバル」は例年5月第1週目の木・金・土の3日間、日本のゴールデンウィークと同じタイミングで開催されています。また他のシンシンショー(様々な民族舞踏「シンシン」を披露し合うショーのことで、主要各地で年1回開催される祭典)と違うところは、コーヒーのみならず全国各地から集まった各種企業や団体による多くの展示や物産品の即売も行われていることです。様々な民族の踊りを見て、様々な物産のテントブースを巡る、「ゴロカ・コーヒーフェスティバル」はそんな楽しみ方ができる祭典です。

メイン会場となるのは、ハイランド(高地地方)の伝統的な家の造りをモチーフにモダンなデザインが融合したラウンラウン劇場とその前の広場です。劇場を中心に展示・即売会場とシンシン会場の2つに別れて、開催期間中どちらも休みなく賑やかな催しが開かれています。

別ウィンドウで拡大します 緊張した面持ちで大人にメイクされているチンブーの少年ダンサー スポーツ大会の開会式のように、こんな自作のプラカードを持って入場してくるチームもある これは南ハイランドのメヒワガのチームのもの ニューアイルランド島カビエン地方からやってきたチーム 頭に船をかたどった飾りをのせている 同じチームだと一見みな同じに見えるコスチュームだがよく見ると個性がある この場合は頭部の装飾
チンブーの女性ダンサー グラマラスなプロポーションですゴロカを代表するマッドマン、不気味な泥面をかぶり音もなく歩み寄ってくる鋭い視線と派手なメイクでひときわ目立つタリのフリ族
別ウィンドウで拡大します ゴロカ特産のアラビカ種のコーヒー豆、白い豆が焙煎前の生豆、そして黒いものが焙煎されたもの 色や形・大きさで細かく等級分けされている伝統模様を施したカイナンツの陶器は駐在する外国人に人気だゴクラクチョウの羽飾りが見事なチンブーの女性ダンサー 首都ポートモレスビーを含むエリアに生活するモツ族の少女 顔と体に施された黒い線状のメイクが特徴的 座ったまま頭を振りながら恍惚とした表情で「踊る」チンブーの子供たちサゴ椰子のデンプン粉を薄くのばして土器のフライパンで熱するとパンのようになる(ミドルセピック)クンドゥ(太鼓)を鳴らしながら男に負けぬ力強い踊りを披露するチンブーの女性

バラエティーあふれる展示会場

ラウンラウン劇場の建物とその周辺には80以上の様々な展示や物品販売のテナントが並びます。

主要銀行や郵便局、ラジオ局、庶民の食生活に欠かせないビスケット会社や魚の缶詰会社、さらに鶏など家畜の餌をつくる会社も毎年出展しておりテナントを覗くだけで庶民生活の一端が覗けるでしょう。そして最も注目して頂きたいのは勿論コーヒー関連の展示と販売ブース。コーヒーの品質の違いは、一般人にはなかなかわかりにくいところですが、何種類ものグレード分けされたロースト(焙煎)前の生豆を展示し、細かく説明してくれます。PNGジャパン店頭でも販売しているアラビカコーヒーなど数社のコーヒー販売会社では、各社自慢のコーヒーを1杯20円ほどで飲ませてくれます。もちろんコーヒー豆も売っています。またゴロカの隠れた特産品が、野生の花に群れるミツバチから採取するハチミツ、蜜蝋、ミツバチ花粉です。もちろん全くの無添加でオーガニック、その品質は高く日本の皆さんにもぜひお試し頂きたい品です。

さらにカイナンツ・ポータリーという陶器の会社は、海外NGO団体や海外政府援助を受けた地域振興事業で、地元でとれる土を使いシンプルなデザインや伝統模様を取り入れたコーヒーカップなど食器類や花瓶はパプアニューギニアに駐在する外国人には人気の品です。その他パプアニューギニアの原始美術を代表するセピック川流域の村の木彫りや、個性的な絵画なども手頃なお値段で売られているので、パプアニューギニアらしいお土産を見つけるには最適です。

熱気溢れるシンシン会場

パプアニューギニアのお祭りはシンシン抜きには語れません。シンシンとはピジン語で書くとSing Sing、歌って踊るパプアニューギニアの民族舞踏の総称です。各地方に各村にそれぞれの宗教・文化風習に根付いたシンシンがあり、その数は民族の数だけとしても500もの種類のシンシンが存在することになります。前述のような各都市のシンシンショーは開催地の州にある村のシンシンがほとんどですが、コーヒーフェスティバルではゴロカと所属する東ハイランド州の民族だけでなく、ポートモレスビーやアロタウ周辺の他、遠くラバウルやカビエン、マヌス島、ブーゲンビル島といった海に囲まれた遠くの島々からもシンシンチームが駆けつけてきます。色とりどり、様々な装飾を施した個性豊かな民族が華やかに躍動感に溢れて踊り競う、まさに民族の競演は圧巻です。

高地の民族は、その装いが超派手。ゴクラクチョウやカラフルなインコの羽根や剥製をどっさり頭に飾りつけて私たちの目を引きつけます。その中で筆頭に上げられるのが南ハイランド州タリに住むのフリ族。自分の髪の毛から作る自慢のカツラは、伝統的なもので、そのカツラの上に飾られたゴクラクチョウの羽がカツラをより引き立てます。さらに顔はまっ黄色!とても近寄り難いオーラがブンブンでてます。またゴロカのオプショナルツアーでお馴染みのマッドマン。奇妙な泥面を被って全身に泥を塗り、静々と漂うような不気味なパフォーマンス。

一方、海の民族は、まず女性が多く参加します。椰子の繊維などでつくった腰ミノをまとい、貝殻のネックレスなど海の装飾を施しています。そして踊りはぐっと明るくてリズミカル!高原なのに潮風を感じてしまいます。マヌス島のシンシンはガラムート(丸太をくり抜いた太鼓)から繰り出される躍動感溢れるビートにのせて、軽快なステップが弾みます。
シンシン会場では、朝から次々とシンシンチームが集まりはじめ、昼頃には踊り手と観客が一体というよりはごっちゃになってすし詰め状態。もう自分が傍観者であることを忘れて、まるで自分がシンシンチームの一員になったような錯覚に陥ります。それがこの祭典の醍醐味かもしれません。来年はみなさんも体験してみませんか?

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