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水中写真家
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匠が語るパプアニューギニア 高砂淳二さん
高砂淳二ポートレート

高砂淳二 プロフィール

高砂淳二(たかさご じゅんじ)
自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。
大学在学中にオ−ストラリアを放浪。ダイビングと写真を始める。
「月刊ダイビングワールド」誌スタッフフォトグラファーを経て89年に独立。
海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。
夜の虹を完全に捉えた世界で初めてのハワイの自然写真集「night rainbow −祝福の虹−」(小学館)をはじめ、「BLUE」、「free」、「aqua」、「life」、「アシカが笑うわけ」(小学館)、「ハワイの50の宝物」(二見書房)、「海へ行きたい」(マリン企画)、「クジラが見る夢 〜ジャックマイヨールとの海の日々〜」(七賢出版・共著)など、著書多数。

公式ウェブサイト http://junjitakasago.com/

高砂淳二パプアニューギニアギャラリー

パプアニューギニアの海は、透明度が極端に高いスコーンとしたものではなく、小さな生命がたっぷりと入った濃厚さを感じられる海で、それだけにサンゴやホヤなどの底性生物から、小魚、バラクーダ、ギンガメアジ、サメなどが当たり前に見ることができる素晴らしい海なのだ。特に最近行ったアロタウはその中でもサンゴがもの凄く発達していて、ナショナルジオグラフィック誌のカメラマンに世界一のサンゴだ、と言わしめた海でもある。

しかし僕は、海にももちろん感動しっぱなしではあるけれども、それと同じぐらい、陸上の人々の営みや子どもたちの純粋な笑顔にも感動した。

パプアニューギニアでは、コテカ(ペニスサック)や顔のペインティング、ヤリなど、一風変わった時代錯誤的な文化が今も守られていて、ちょっと遠い国のイメージがある。実際行って現地に住んでいる人に話を聞いても、やはりかなりわれわれ日本人とは違った、面白いものの考え方を持っている国だということがわかる。ちょっと聞きかじったお話を書いてみよう。

パプアニューギニアの人々は、今でも部族単位で暮らしているとのこと。先日訪れたアロタウのあたりでは、「ネックレスの約束」というのがずうっと守られているという。
どういうものかと言うと、ある部族で食べ物がなくなり困った状況になると、近隣の部族にネックレスを贈る。贈られた方は、ネックレスが来たならすぐにイモ類、魚、家畜などの救援物資を贈り返すことになっているというのだ。お互いの部族が生き残るための、相互扶助的な暗黙の取り決めだ。またそれを続けることで、お互いの信頼関係やコミュニケーションを保つことにもなるとのこと。部族間で言葉が違ったりするだろうが、言葉の要らない助け合いシステムなのだ。

それからパプアニューギニアには、いまでも魔力や呪いなどの、いわゆるブラックマジックのようなことを行う人がいるとのことで、「魔女狩り」がいまだに行われているとのことだった。接触のない部族間ではお互い何も情報がないので、ついつい自分の部族に何か悪いことが続けて起こったりすると、「あそこの部族の呪いに違いない」とか、「あの部族には魔女がいる」といった悪い想像がはびこりがちになる。そんな時若い有志がその部族を訪れて視察をし、変な想像を取り去って関係悪化を未然に防ぐ、というわけなのだ。まあ、言ってみれば外交のようなもの。これを魔女狩りと言っているらしいのだ。現代の国際間にも通用するような、賢い生活の知恵ではないか。

ダイビングポイントとしても素晴らしく、人々の生活や習慣も興味深いパプアニューギニアは、どこか遠い故郷へふと帰りたくなる気持ちにも似た、リピート願望が湧き上がる不思議な魅力のある国なのだ。ホタルがいっぱい付いて、夜にはまるでクリスマスツリーのイルミネーションのように見える木もあるということを小耳に挟んだ。また近々行かなくては。